【心理学】行列ができる店に人気が集中する理由とは?
「今日の昼食はラーメンにしようかな~!」とラーメン店を探しているときに、行列ができてるラーメン屋と客が入っていないラーメン屋があったとき、あなたはどちらの店を選びますか?
あなたはきっと、行列ができているラーメン屋を選びませんか?
なんとなくお客さんがいないラーメン屋には入りにくいですよね。
その行動の背景には、行動経済学の「バンドワゴン効果」と「ハーディング現象」が大きく影響しています。
それではさっそく見ていきましょう。
バンドワゴン効果とは?
大勢の人が支持している物を理由なく良い物と判断してしまう心理現象をバンドワゴン効果と言います。
なぜこのような現象が起こるのでしょうか?
それは、人間が集団としての効率化を求めて進化したからだと言えるでしょう。
人間は頭で考えるだけでもエネルギーを使います。
しかし、他人が考える分には当然のことながら一切のエネルギーは使いません。
バンドワゴン効果は、自分のエネルギー消費量をゼロにするために、多くの人が良いと判断した物を自動的に良いと受け入れているのです。
つまり、行列のできているラーメン屋を見たときに「あれだけ大勢の人が並んでいるんだから、さぞ美味しいラーメンに違いない」と無意識的に感じてしまっているのです。
ハーディング現象とは?
ハーディング現象とは群集心理とも言い、多くの人と同じ行動を取ることで心理的な安心感が得られる現象です。
バンドワゴン効果と似ていますが、ハーディング効果は特定の支持されている物がなくても発動する、単純な同調行動です。
人間は仲間はずれが嫌いで、多くの人と違う行動を取ることはストレスを生じさせます。
この現象は、集団で生活する草食動物などにも見られます。
ラーメン屋を選ぶときは、ガラガラの店に入るより、多くの人がいる店に入る方が心理的な安心が得られるのです。
他にはどんな場面で見かける?
バンドワゴン効果やハーディング現象は、身の回りのさまざまなシーンで目にすることがあります。
例えば、以下のような状況や行動が、それと言えるでしょう。
バンドワゴン効果の具体例
- Amazonで欲しいものを買うときに、レビューの多い商品を買う。
- YouTubeで再生数が伸びている動画が気になり、つい見る。
- クラスで流行っているゲームを、自分も買う
- ショップ店員さんが、お会計後わざわざショップの入り口まで行って商品を渡し、通行人の目に触れさせる。
ハーディング現象の具体例
- 周りの人がマスクを付けているから、自分も付ける。
- 駅のホームで電車が来ない所に列ができてしまう。
- 遠足のとき、みんながトイレ行くから自分も一応行く。
- 多数決で挙手をする際に、なんとなくみんなと同じ方に手を挙げとく。
- 災害で非難する際に、皆同じ出口から逃げようとする。
このように日常の何気ない行動も、これらの心理効果が働いています。
また、これらの効果は、人の行動を意図的に操作することが可能なため、企業のマーケティング戦略にしばしば利用されています。
新商品の発売日に、意図的に行列を作りやすくしていることも企業の戦略の1つでしょう。
一方で、Amazonでさくらレビューが横行していたり、SNSで芸能人をインフルエンサーとして利用し商品をPRしたりする行為は、悪用の可能性もあるため注意が必要です。
人生で損しない行動をするには?
バンドワゴン効果やハーディング現象の共通点は、他の人と同じ行動を取るということです。
つまり、他人に自分の行動の選択を委ねてしまっていることになります。
そして、重要なのは必ずしも他人の行動が正しいとは限らないことです。
自分にとって本当に正しい選択をしたいのであれば、よく調べて、よく考えてきちんとした根拠に基づいた行動を取るべきです。
そのためには一度、先入観を捨てて多くの人が当たり前に行なっていることも疑ってみるのはどうでしょうか?
まとめ
行列ができる店にどんどんお客さんが集中する理由は、バンドワゴン効果とハーディング現象が人の行動に大きく影響しているからと言えます。
【バンドワゴン効果】
大勢の人が支持している物を理由なく良い物と判断してしまう心理現象です。
【ハーディング現象】
多くの人と同じ行動を取ることで心理的な安心感が得られる心理現象です。