ふむふむ心理学

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バイアス教育と心理学のブログ

面倒臭がりは損!?”後回しグセ“の心理学的”簡単”克服法

後回しグセの心理学的克服法

あなたは今まで、何かやらなきゃいけないことがあるのに、

「面倒臭いなぁ、、。まぁ、あとでいっか!」

と、つい後回しにしてしまった経験はありませんか?

私も

「宿題やらなきゃいけないけど、明日でいいや。寝ちゃお~」

なんてことをよくやっていました。

多かれ少なかれ誰しも一度は経験があると思います。

しかし、実はこのような行動は現在バイアス(現在志向バイアス)が強い人が取りやすいと言われており、それを理解したうえでほんの少し行動を変えることで、この後回しグセは克服できるのです。

現在バイアスとは? 

現在バイアスとは、未来に得られる利益よりも、現在の満足を優先してしまう心理傾向のことです。

別名「遅延報酬の価値割引」や「時間選好」とも言う場合があります。

例えば、ダイエットしようと思っているのについケーキを食べてしまう人は心の中で、ダイエットして1年後にスリムな体型を手に入れるという利益よりも、今おいしいケーキを食べて得る満足感を優先してしまっているんですね。

現在バイアスが強いとどうなるの?

「今得られる利益」と「将来得られる利益」の価値を正しく評価できないので、人生で損をすると思われます。

後で、「あ〜!なんでこんなことしてしまったんだろう!」と後悔することもあるかもしれません。

例えば、

  • 貯金したいのに、衝動買いしてしまう人 ⇒ その場の満足感は得られますが、よく考えたら不必要な物ばかり買ってしまうので、将来的にお金が不足します。

 

  • お風呂に入らないといけないのに、そのままソファーで寝てしまう人 ⇒ その時の睡眠欲は満たされますが、眠りが浅くなり次の日の行動に影響します。

 

  • 次に食器を使う時まで洗わずに放置してしまう人 ⇒ その時は休憩できますが、結局後で洗わないといけないので、その間流し台が不衛生になります。

 

  • 「あと一杯だけ」と思いつつ、つい深酒してしまう人 ⇒ その場の快楽は得られるますが、二日酔い肝臓の病気になります。

 

  • 「あと5分だけ」と思いながらも、そのまま2度寝してしまう人 ⇒ その時の睡眠欲は満たされますが、遅刻の可能性が高まります

後回し癖には2つのパターンがある?

単発的な行動の後回し」と「継続的な行動の後回し」があると考えられます。

これは、後回しにしてしまう行動が「食器洗いのようにすぐ終わる行動」か、「ダイエットのように長時間がかかる行動」かの違いです。

単発的な行動を後回しにするパターン

これは、やればすぐ終わる行動を後回しにすることです。例えば「宿題・課題をする」、「食器を洗う」、「お風呂に入る」というような結果が出るまで短期間で済む行為を後回しにすることです。

継続的な行動を後回しにするパターン

これは、やるとなるとかなり時間がかかるのでなかなか始められないような行動を後回しにすることです。

例えば「ダイエットする」、「受験勉強」、「お金の無駄遣いをやめる」、「お酒をやめる」というような長期間実行しなければ結果がでない行為を後回しにすることです。

この2つのパターンの違いにより、克服法も変わってきます。

どうすれば克服できるの?

「単発的な行動の後回し」と「継続的な行動の後回し」に対する解決策は異なります。

作業興奮」を活用すべし

「単発的な行動の後回し」に対しては、結局のところ面倒臭くても後回しにせずに、すぐ行動することが唯一の克服法です。

でも、ほとんどの方はすぐ行動に起こせないから困っているのだと思います。

そのような場合は、「作業興奮効果」で解決できます。

作業興奮効果とは、行動することで脳が刺激を受けて自然とやる気が湧く現象です。

つまり先に行動すると、後から勝手にやる気が出てくるんですね。

やる気が出たから行動するのではなく、行動するからやる気が出てくるというわけです。

そのため、最初にハードルが低い小さな行動だけを実行すれば、その結果やる気が出て最後まで完了できるでしょう。

例えば、テスト勉強をするときは「10分だけやろう」とか、食器洗いをするときは「コップ類だけ洗おう」とか、小さな目標を立てて実行すれば、作業興奮効果が発動して結果的に1時間以上勉強できたり、洗い物もすべて片付けられるようになると考えられます。

「内発的動機づけ」と「宣言効果」を活用すべし

「継続的な行動の後回し」では、行動が長期に渡るので、一時的なやる気アップにしかならない作業興奮効果はあまり期待できません。

しかし、「内発的動機づけ」を行えば、継続的にやる気を高めることができるので解決できる可能性が増大します。

内発的動機づけとは、金銭や罰などの外的要因とは反対に、人の内面の強い興味や関心などから来る動機づけです。

例えば、

「イタリア人と付き合いたいからイタリア語を勉強する」、

「ハワイに行きたいからお金を貯める」

など。

強い内発的動機づけを行えば、最終目標が達成できるまで大きなやる気が継続できます。

ダイエットができない人の例では、「来年の同窓会で、友人達を見返してやろう」や「結婚式で憧れのウェディングドレスを着こなしたい」などの強い内発的動機づけがあれば、ダイエット成功率が上がります。

 

また、「宣言効果」も効果的であると考えられます。

宣言効果とは、成し遂げたい内容を人に宣言することで、成し遂げられる確率がアップするという効果です。

つまり、友人や家族に「私、半年以内に5kg痩せる!」と言うことで、その目標が達成しやすくなるというものです。

これは宣言を聞いた友人や家族から、

「結局達成できなかったのか」、

「カッコ悪いな〜」

などと思われたくないという気持ちから、目標に対する意識が高まります。

また宣言することで自分の心にも強く印象付けられて、強く目標を意識しやすくなります。

この効果をアップさせるには、小まめに体重やウエストを測って、着実に目標に向かって進んでいると実感を得ることが大切です。

この内発的動機付けと宣言効果を活用すれば、ダイエットや受験勉強などの継続的な行動も、先送りせずに実行することができるでしょう。

まとめ

後回しグセの原因は「現在バイアス」という今の瞬間の満足を優先してしまう心理傾向によるものでした。

その克服には、作業興奮効果内発的動機づけ宣言効果が活用できるでしょう。

本記事には筆者の個人的見解が含まれていることをご了承ください。